吸引水疱表皮植皮術

ナローバンドUVB光治療による治療で改善してこられる方も多いのですが、残念ながら効果が見られない方もいます。 次の手としては、植皮術となります。
吸引水疱表皮植皮術は白斑に対し、最も有効な方法かもしれません
メラニンをつくる細胞を本人の正常な皮膚の表面に近い部分から移植する治療法です。
痕が残らないように皮膚を吸盤で吸い上げて人工的に水疱をつくり、その 皮の部分を白斑の部分にはりつける方法(吸引水疱移植術)がよく行われています。
こうすることによって水疱の皮に含まれていたメラニン細胞が白斑の部分に定着し、
1週間から数ヶ月後には正常な色に戻ります
表皮移植術

下は表皮植皮術の治療中の写真です。
お腹の白斑に10cc の注射器をつけて、真空ポンプで吸引しているところです。
2〜3時間寝ているだけできれいな水疱ができます。一方で腕の内側の正常色皮膚にも同じ処置を行 い、
正常皮膚を白斑切除後の皮膚にのせ、一週間の固定で生着します。
痛みは多少ありますが、麻酔は必要ありません。
右は表皮植皮術完了後の白斑です。
既成の治療 でまったく色素再生を認めませんでしたが、
この新しい治療によって皮膚を植えた部分のみならず、そのまわりにもきれいな色素再生を認めます。
※手術後の皮膚に更にナローバンドUVB治療を加えたら、再生した色素がもっと拡大になる
すべての白斑が完治するまでには、まだ時間がかかりますが、あきらめていた人にとっては福音でしょう。
表皮移植術表皮移植術