白斑と同時に患いやすい疾患

尋常性白斑は甲状腺疾患、悪性貧血、糖尿病、萎縮性胃炎などと同時に患うことがあるといわれています。なかでも甲状腺疾患と同時に患うことが比較的多く、甲状腺機能に関する血液検査はなるべく行うようにしております。
血液検査

合併症状

1)白毛
分節型白斑では、有毛部に白斑を生じた場合、その部位の毛の一部が脱色することがあり、る、しばしば眉毛や睫毛の白毛化がみられる。一方、非分節型白斑では白斑が認められない皮膚の硬毛にも脱色がみられることがあります。
2)サットン白斑
サットン白斑は母斑細胞母斑(主に黒あざ)を中心として周辺に円形に拡大する白斑のことです。サットン白斑と尋常性白斑との合併はよく知られています。 3)炎症性辺縁隆起型白斑 通常の非分節型白斑と区別できない白斑のうち、健常皮膚との境界部が数mmの幅で軽度発赤し隆起して浸潤を触れる特殊な症例がある。白斑辺縁の線状紅斑は健常皮膚方向に移動した後に脱色斑を残します。このため、尋常性白斑ではないとの異論もあります。
4)自己免疫疾患
尋常性白斑に自己免疫疾患の合併率が高いことについては多数の報告があります。最も頻度の高いのは甲状腺疾患(甲状腺機能亢進や低下、バセドウ病、甲状腺炎など)で、非免疫性甲状腺疾患との合併率は高くないことが確認されています。自己免疫性甲状腺疾患の発症時期は、白斑に先行する場合と続発する場合もあり、一定していません。 また、インシュリン依存性(自己免疫性)糖尿病も頻度の高い合併疾患の一つです。その他にも、アジソン病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎などとの有意な合併率の上昇が報告されています。
5)眼病変

尋常性白斑の患者が眼の異常を訴えることは殆どありませんが、仔細に検討すればブドウ膜や脈絡膜病変の発症頻度が高いとする報告もあります。尋常性白斑でおかされる色素細胞の数が全体の数から見れば少ないために、臨床的な問題が生じないのであろうと考えられています。

合併症にも注意

重症の人や治りにくい人は、自己免疫疾患を伴っていることがあります。例えば、甲状腺疾患や膠原病などを伴っていないかどうかを調べるために、一度精密検査を受けたほうがよいでしょう。
なお肌が白く見えるような皮膚の病気はほかにもあります。正しい診断をするために必ず診察を受けましょう。