ナローバンドUVB光線治療

白斑治療に対し、近年では安全性が高いナローバンドUVB療法がよく行われるようになってきています。
narrow band uvb
ナローバンドUVB療法は中波長紫外線(UVB)のうち有効な波長(311nm)のみを発する蛍光ランプを用いて照射します。
欧米での長期にわたる研究結果、我が国におけるデータからもこの治療では、
まず発ガンの心配はない、という事に落ち着いているようです。
世界最高品質のナローバンドUVB蛍光ランプはフィリップス製UVB蛍光ランプだと認識されています。
UVBランプ
作用としては皮膚においてランゲルハンス細胞という免疫に関係する細胞の機能を抑制したり、
メラニン産生細胞を活性化したりします。
ナローバンドUVB
※白斑は、このメラニン色素がなくなってしまうことで、皮膚が白くなってしまう症状です。
またいろいろな疾患で増えてくるリンパ球を抑えたりもします。
PUVA療法(オクソラレン+UVA照射)と比較すると簡便で炎症後の色素沈着を残しにくくなっています。
欧米では尋常性乾癬やアトピー性皮膚炎などに一般的に用いられおり、
今まで治療が難しかった尋常性乾癬や尋常性白斑などの皮膚病にも有効です。

ナローバンドUVB療法がもっとも効果が高いと報告されており、またその際にステロイド薬の外用を併用した方がより効果的であることが明らかにされております。
日本では、皮膚科医や大学病院で大型ナローバンドUVB紫外線治療器 (デルマレイ-200)により光治療が受けることができます。1年ほど週に2〜3通院必要があります。
海外(欧米)で、その通院費用の負担を軽減できるため、
家庭用ナローバンドUVB紫外線治療器
が開発され、自宅で治療するのは普通です。
ナローバンドUVB
病院大型ナローバンドUVB紫外線治療器
使用蛍光管ランプ:フィリップス製UVB蛍光ランプ
仕様はこちら www.muranaka.co.jp

ナローバンドUVB
家庭用ターゲット型ナローバンドUVB紫外線治療器
使用蛍光管ランプ: フィリップス製UVB蛍光ランプ
仕様はこちら www.nb-uvb.com

ナローバンドUVB療法にはよって、下記のようなことが期待されます。
1)照射をして改善が見られた場合に、再発するまでの期間が長くなる。
2)外用する薬の量が少なくて済むようになる。
3)比較的早期から「痒み」が減ってくる。


◆治療方法
まず、テスト照射を行いMEDと言われる最小紅斑線量を判定します。測定結果は翌日に判定になります。MED(最小紅斑線量)の判定ができましたら、その50%くらいの線量から照射を開始します。
そして、淡い紅斑がみられるぐらいまで徐々に線量を増加していきます。
原則として週に2〜3回の通院が必要ですが、やむを得ない場合は週1回の通院で行います。
※簡便な方法として正常部位に0.2-0.3J/cm2ほど照射して、紅斑反応がないことを確認しつつ、照射量を0.1Jすつ上げていく方法もあります。

◆この治療を受けられない方
・光線過敏症のある方
・皮膚悪性腫瘍の合併
・既往のある方
・免疫抑制剤内服または外用中の方

紫外線療法の副作用

ナローバンドUVBの副作用としては、皮膚の赤み、色素沈着(日焼け)、ほてり感、 ヤケドなどがありますが、他の紫外線療法より起こしにくいと考えられています。
また1MED(最小紅斑量)以上を照射することで高度の紅斑を生じることが あります。
光発癌のリスクに関してはまだ不明な点もありますが、
動物実験、臨床データよりUVBと同等前後のリスクもしくはそれより少ないと考えられていま す
小児(10歳以上)や妊婦にも使用可能とされ、目安としては最大500回照射、総照射量230-240J/cm2というところのようです。
また、欧米での長期にわたる研究結果、我が国におけるデータからもこの治療では、まず発ガンの心配はない、という事に落ち着いているようです。 

※照射中には陰部で感受性が高いことからパンツを着用し、紫外線障害を防ぐ目的で紫外線カットゴーグルを着用します。